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理系・大学の研究室選びで気をつけたいこと・まとめ

理系の大学生は、少なくとも一年、必ず研究室に在籍します。この時、研究室選びで悩む人も少なくないと思いますので、そのコツをカンタンに紹介したいと思います。

結論は、自分がどういう進路を選ぶのか決めて、それに合った研究室を選ぶことが大事です。

理系学生の年間スケジュール

まず、理系の大学生は、大体の場合、下記のようなスケジュールで活動します。

学部生の流れ
・活動期間は4年間
・1年生~3年生は単位取得の講義メイン(大体130単位前後)
・4年生は丸一年、研究室の研究活動メイン
 ⇒就職組は就活+卒業論文作成
 ⇒院進学組は院試+卒業論文に専念(学会参加もあり)
・論文提出+卒業発表して、学部卒
修士生の流れ
・活動期間は2年間
・卒業までに学会発表を最低1回以上やる
・修士用の単位を取得(大体20~30単位前後)
・進路を考える
 ⇒博士課程希望の人は研究に専念
 ⇒就職希望の人は1年の終わり~2年の春夏で就活
・修士論文提出+修論発表をして、修士卒
博士生の流れ
・活動期間は3年
・博士用の単位を取得(大体20単位前後)
・学会や論文にドンドン取り組む
・進路を考える
 ⇒教授職希望の人は教授と相談
 ⇒就職希望の人は途中で就活
・博士論文提出+博論発表をして、博士卒

研究室は必ずしも全部一緒でないといけないことはなく、学部生、修士生、博士生それぞれのタイミングで切り換えてもOKですし、人によっては、その途中で移籍する場合もあります。ただ、大体の場合、一つの研究室に在籍することが普通です。

では、どんな研究室を選べば良いのか、続けて紹介していきます。

種類

研究室には大きく分けて、下記の3タイプの研究室があります。

1.しっかり教育するところ

2.そこそこ教育するところ

3.完全放任主義のところ

それぞれの説明をしていくと、下記の通りです。

しっかり教育するところ

しっかり教育する研究室とは、その名の通り、教授がしっかりしていて、きちんと研究生の指導・管理をしている研究室のことです。

原則、毎日朝~夕方までの研究室活動を義務づけていて、週報・研究室内発表会などの進捗管理の機会をしっかりして、研究生がきちんと研究に励むような体制になっています。

自分がいた大学は機械系だったのですが、熱心な教授は「これからの若者はプログラムの基礎くらい知らないと話にならない」と、自分の研究室に入った学生に対し、春や夏の休暇を返上して、特別合宿授業みたいなことをしている研究室もありました。

また、こういった熱意のある研究室は、企業と連携していることも多く、実際の仕事と同じような感覚で研究活動をすることができます。(企業の依頼は必ず締切と成果が求められるため、プレ会社のような感覚で研究活動ができる。)

サーバー、ナレッジマネジメントだったり、提出書類の書式・ルールなど、ビジネス向けの力も身につけられるので、とても良い研究室と言えます。

そこそこ教育するところ

こちらは、少し規則の緩い研究室になります。

教授は基本的には"見"で構えており、研究の進捗を学生に任せています。普段は細かくモノを言わず、研究室内の定期的な集まりにおいて、進捗が遅れていると指摘するような感じです。原則、質問されたら答えるというスタンスで、あんまり率先して教えるようなことはしません。何かを聞きに行くと、これを読んだ方が良いなど、ぽんっと書籍一つの回答をされるようなイメージです。

また、研究室への参加も、週に数回で良かったり、とくに規則を設けていなかったり、少し緩いです。きちんと期日までに成果を出せば、その過程は自主性に任せる、という方針です。

完全放任主義のところ

最もクセの強いというか・・・もうフリーダム。規則がないんじゃないかって研究室が、こちらのタイプです。

まず、研究室には全く参加しなくても、とくに怒られることもなく、また、研究室内の定期的な報告もやったりやらなかったりでOKだったり、とにかくユルユルです。

こういうところは、教授が基本的にルーズなところが特徴です。教授本人の能力は高いのですが、人を使ったりする管理能力や、人を育てて教えることが極端に苦手だったりします。(そもそも教授になる道を見た時、人への教え方の上手さで判断されるものではないため、指導の上手い下手は教授によって大きく違います。)

こういう研究室は、卒論発表だったり、学会発表だったり、研究室以外の第三者が絡む内容のイベント・締切がある時だけ、教授も火がついて、「ちゃんとやりなさいよ!」と、とにかく間に合わせるように動き出すのが特徴です。

逆にいうと、まったく研究室に行ってなくても、そういった最後の締切をきちんと守っていればOKだったりします。(学部生あるあるですが、こういう研究室では、12月から研究をスタートして3月に卒業を決めるという強者学生も少なくありません。)

で、選ぶべきはどれ?

研究室には大きく分けて3つの種類がありますが、しかし、これらは一概にどれが一番良いという話でなく、それぞれに良い部分と悪い部分があります。

なので、学生の状況によって、当たりの研究室というのは変わってきます。

詳しくは以下の通りです。

理系以外の就職予定者はユルいところがラク

理系の大学に行ったからといって、必ずしも全員が理系職に進むわけではありません。数学や物理が得意だから理系に進んだけど、就職は普通のところ、という人も少なくないです。

そういう人は、ユルい研究室を選んでおくと、研究で強制される時間も少なく、就活に使える時間が格段に増えてオトクです。また、卒論作成も、厳しい研究室に比べて、クオリティが低くてもOKだったりするので、理系への進路を考えていない人は、ユル研オススメです。

(理系への進路を考えていない場合、そもそも他の真面目な研究室であっても、「君は理系に進まないし、早く社会に出て働くことのほうが大事だね」と、教授もあんまり研究内容にやかましく言わなくなるという背景もあります。)

理系に進むけど自分のペースでやりたい人はそこそこのところがラク

夜型だったり、短期集中型の人は、そこそこしっかりした体制の研究室にしておくと、自分のペースで快適な研究生活が送れます。

日によっては、研究室に行かず、自宅や近くのカフェなどで作業してもOKですし、ノマドチックな性格の人は、ユル過ぎず、厳し過ぎない研究室を選ぶのがオススメです。

理系に進んで、しっかりした力をつけたい人は、厳しいところを選ぼう

当然ですが、理系の道に進む人は、より厳しい環境に行った方が良いです。しっかり指導してくれる研究室を選んで、将来に備えて実力をしっかり蓄えることが大事です。

自分が仕事をしたいと思っている専門分野の知識・実力をしっかり身につけられるよう、日々がんばりましょう。

その他、補足

事前に情報を知る方法

自分の大学の研究室が、いったいどんな種類の研究室なのか知るためには、とにかく情報収集が欠かせません。先輩や友達と交流して、それぞれの研究室がどんな雰囲気なのか知っておくようにしましょう。

一番のおススメは飛び込みです。口コミだけだと、他人の主観が入るので、自分自身が実際に研究室へ行ってみて、「4年生になったらこちらの研究室を希望するかもしれないので見学したいです」といったように見て回ると、実際に所属している先輩からダイレクトに貴重な情報をもらうことができます。大学によっては、全体での見学の日をきちんと設けていますので、その時にしっかりチェックしておくことが大事です。

ちなみに、さらに詳しい"裏の情報"を知りたい人は、研究室近くの喫煙スペースに行くとベストです。

だいたいのコミュニティにおいて、喫煙スペースに出没する人は"情報通"です。表向きは話せないことも、喫煙室ではなぜか話せたりして、研究室の気になる裏情報を聞けたりします。(あの教授は酔っ払うとこうなるとか、この研究室には飛び抜けて面白い人、凄い人がいるなど、色んな話が出回っています。)

ヘンなブランド思考に踊らされないこと

口コミなどを集めると、自然と、「人気の研究室」と「不人気の研究室」という分類が生まれます。

そうなると、人気の研究室に所属できなかったことでショックを受けたりする人もいるのですが、これはあんまり気にしないことが大事です。

たとえば普段の講義では厳しくつまらなそうな教授であったとしても、じつは研究室では気さくな人だったりして、普段の人気はないけど、いざ所属してみると居心地が良かったりもします。

研究室の所属が決まったら、まずは通ってみて、その空気に慣れてみることが大事です。案外、食わず嫌いなだけということがあるので、あんまりブランド思考の先入観を持たないようにしましょう。

自分のやりたい研究ができない場合は気持ちを切り替えることが大事

研究室選びが決まった後は、自分の取り組む研究を決めるのですが、これが自分のやりたい研究にならない場合も少なくありません。

研究室選びや研究選びというのは、大体、成績順だったり、たまには運次第になったりするので、どうしようもありません。こういう時は、そういう理不尽性にも慣れる練習だと言い聞かせるようにしきましょう。(就職した時、自分の希望する仕事だけもらえるということはまずありませんので、良い練習です。)

これがどうしても許せない場合は、教授に力説したり、別の研究室を探すなどの方法を取るしかないですが、所属した環境で頑張るということも大事だとは思います。(希望通りの球団やポジションに入れずとも、しっかり成果を出す人は出します。)

三年生までに単位を取得しておかないと四年生は地獄の一年になる

こちらは余談ついでのアドバイスですが、理系の必要単位は多いため、3年生の時までに、ある程度の単位を取得しておかないと、4年生になった時、地獄を迎えます。

とくに学部卒で就活する人の場合、講義+就活+研究(論文)となり、かなりのハードスケジュールになります。また、修士になる人でも、研究に専念する時間が減るので、オススメしかねます。

理系の大学に入ったら、3年生の終わりまでに、ある程度の単位は一通り取得しておくことをおススメします。

まとめ

研究室は十人十色。

良い研究室も悪い研究室も、本人の求めるもの次第で評価はまったく変わります。

まずは自分がどういう進路を選ぶのか決めて、それに合った研究室を選んでいくことが大事です。また、もし希望通りにならなくても、自分自身がしっかり頑張る気持ちを持つことが大事です。

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