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新入社員は持株会に入るべき? 答えは「今からの時代ハイリスク・ローリターン」

上場企業に入社すると、多くの場合、新入社員は持株会という制度を紹介されます。

すると、周囲の同期たちは、こんな風にざわつくことでしょう。

「持株会だって。どうする? 入る?」
「とりあえず毎月1万円かな」
「貯金、苦手だし毎月5万円はつっこむかな」

などなど。

いったい、どうすることが正解なのか。ちょっと考えてみましょう。

新入社員の悩み! 持ち株会はオトク?損? 答えは「今からの時代の持株会はハイリスク・ローリターン! 喜ぶのは会社だけ!」

株で儲けるには、安い時に買って、高い時に売るのが基本戦略だが・・・

株で勝つためには、安い時に買って、高い時に売るのが基本的な戦略です。しかし、この時に難しいのが、「買い時」です。いったい、いつの時点が安くて、いつの時点が高いのか、素人にはよく分かりません。ちょっと迷っているうちに値段が上下したりしますし、いざ買おうとすると、パソコン開いて手続きして・・・など、結構めんどうだったりします。日々の業務に追われながら株を毎日追いかけることは至難の技でしょう。さらに自分の会社の株だと、あまりに儲けたりしてしまうとインサイダー取引を疑われるリスクが生じます。

こういった問題をクリアにしてくれるのが持株会です。

持株会とは

持株会とはなにか、wikipedia先生に聞いてみましょう。

持株会(もちかぶかい)とは、持株制度により株式を取得する組織である。 持株制度とは、「金銭を拠出し会社の株式を取得する仕組み」である。 持株会の参加者は手間をかけずに少額の資金で投資ができ、会社は安定株主を形成できるというメリットがある。 なお、株式の取得にはドル・コスト平均法等が用いられる。

カンタンにまとめると、「自分の会社の株を毎月決まった金額、給与から天引きして購入するシステム」という具合です。具体的にいうと、たとえば毎月5万円買うと決めたら、その時の株価が安かろうが高かろうが、お構いなしに5万円分の株を購入するということです。

持株会のメリットは、資産運用にちょっと面白味をつけられること

持株会に加入していると、毎月、自分が手続きをなんもせずとも自動的に給与から天引きして株を買ってくれます。高い時に買うのは少し損ですが、逆に安い時にも同じように買ってくれるので、長い期間で見た時、それらの「得した・損した」がある程度平たくなります。つまり、「大きく損しにくく、大きく得しにくい」ということです。

毎月の貯金が苦手な人は持株会に入っておくと、決まった資産を溜めることができ、また気が向いた時に株価を見てみて、少しトクしそうだなって時に手放せば、配当がつきますので、通常の口座貯金よりかは、ずっとプラスになる可能性があります。

毎月5万円の持株会をやっている友人はアベノミクスで100万円くらい儲けていた

わたしの友人の話ですが、アベノミクスの時、全体の株価が上昇しましたので、キッチリ売り抜けて、5年間分くらいで貯めた株を一気に放出しました。それで利益が100万円ほど。普通に勤めているサラリーマンが、臨時的に100万円もボーナスが出るのは嬉しい限りです。

持株会で利益が出た時は、確定申告を忘れずに!
株の利益が一定以上出た場合、年末調整での計上はされませんので、自分で確定申告をする必要があります。黙っていると脱税疑惑がかかってしまい、最悪は会社を辞めることになるかもわかりませんので、確定申告のことすら分からない人は、勉強してから持株会をやるようにしましょう。

じゃあ、持株会はやったほうがトクってこと?

・・・今までの文脈だと、ほとんど持株会をやったほうが良さそうに見えると思います。

しかし、わたし個人の見解はまったく逆です。

持株会なんて、やるだけ損です!

説明を続けます。

持株会で一番トクするのは会社!

たとえば100人の新入社員がいて、彼らが一人3万円の持株会をやったとします。すると、会社は、キャッシュで毎月300万円のマージンができることになります。会社員の年齢層を考えて、これが30世代ほどに渡っていると仮定すれば、毎月9000万円のマージンです。年間にすれば10億8000万円。さらに持株会では賞与のタイミングで上乗せして購入するため、だいたい12億くらいになるかと思います。

会社が年間12億ほどのキャッシュを持ってこようとするには、どれくらいの労力、売り上げをたてないといけないか。少し想像すれば、とても大変なことだと分かります。

つまり、会社にとって、持株会はとっても美味しい制度なんです。それだけの資産が入ってくれば、自社内の問題が起きたりした時の補填用資産にもなりますし、福利厚生の療養所施設の建立なんかもできたり、オフィスを増やしたり、まあ、色んな面で使い道はあります。

一方で、社員から見ても、自分の勤める会社のインフラ環境が向上していくことは望ましいことでしょう。できれば一生勤めたい会社であれば、なんとか存続して欲しいものです。

ただ、じつは、社員さんはリスクとリターンがじつは見合ってないんですよね。その理由は、「会社の株価が急上昇する可能性は少ないが、会社の株価が急下降する可能性はわりと高いから」です。

少し考察していきます。

これからの時代の上場企業は、とてもリスクが高い

上場企業のリスクは、年々上がっています。なぜかといえば、生え抜きの団塊世代がごっそり抜けていき、社会全体の労働力が著しくダウンするからです。今まで彼ら多くのリソースでどうにかこなしていた業務の多くが、人数の少ない若い世代に降りかかってくるのです。

そして、業務の中には、必ずいくつかリスキ―なものがあります。それは法的にもグレーだったり、とても燃え上がっているようなものだったりするかもしれません。

「・・・これって世間にバレたら、かなりマズイんじゃないの・・・?」

わたしも実際にそういう案件をいくつか目の当たりにしてきました。しかも、いざ社会に出てみると、そんな問題は結構、溢れています。大手企業だから安心できるかといえば、まったくそうではないです。その証明は、近年のニュースを見ていれば容易に分かることだと思います。(もちろん業界にもよりますが。)

つまり、株価は突然に急降下する可能性が高いということを認識しておいてください。

自分の友人には持株会で100万円近くソンした人もいます

ちなみに、どこの会社とは言いませんが、わたしの知り合いの一部メーカーの方は、この持株会の大損をこいています。ちょっと前に問題が起きて、株価が急降下したからです。毎月5万円を投資し、賞与分を含め、400~500万円くらい資産があると思っていたのに、一瞬にして100万円ほど失ってしまったのです。100万円を稼ごうと思えば、何カ月の労働でしょうか。とても虚しいものです。

世間の常識として、凋落・失墜などはめちゃくちゃ早いです。一方、それと同じくらいめちゃめちゃ儲かるなんて美味しい話、まあほとんどありません。世の中、基本的にはシビアだということを念頭に置くようにしましょう。

これからの社員にとって持株会は「ローリスク・ローリターン」ではなく、「ハイリスク・ローリターン」であることを認識しよう

すごく儲かることは滅多にないのに、すごく損する可能性はある。それこそアベノミクスほどの全体の動きがなければプラスになる機会はまあ少ないでしょう。それよりも企業が過ちを犯す可能性の方が現実的には高いと思います。そんな持株会を続けることは、ほとんど無意味だと、わたしは思います。

まあ、会社に一生勤めていく覚悟があって、「なにがあっても自分が会社を支えてやる」なんて愛社精神にみなぎった人には向くのかもしれません。ただ、そこまでのことをしたところで、会社はいよいよ危なくなってきたら、リストラなんかを始める可能性もあることは覚えておいた方が良いです。

個人的に、自分の会社にそこまで思い入れがない人は、いざという時のために自分で資産運用をしたほうが、かなり賢明だと思います。このご時世、なにが起きるか分からないものです。先立つモノは、すべて自分で準備しておいたほうが良いです。「会社に守ってくれ」というより、「自分の身は自分で守る」というスタンスが大事です。

そもそも自分の会社の株価が上がると思うか否か、周囲の顔ぶれを見て、よく見極めておこう

わたしが声を大にして言いたいことが、一つあります。

それは、「一緒に入社した同期の顔ぶれや指導研修をしてくれるセンパイを見て、彼らが会社の利益を増やしてくれそうかどうか、入念にシミュレーションしてみよう」です。結局のとこ、彼らが将来的に成功しない限り、会社の利益は想定以上に増えることはないし、安定もしないし、株価も増えるわけがないんです。

ちなみに自分の場合は、同期の人たちもそうですし、もろもろの様子を見ていて、持株会を買おうなんてまったく思えませんでした。なぜなら・・・という理由はここでは書きませんが、しかし、わたしの予想はかなり見事に当たっていました。

自分は途中でその会社を辞めてしまったのですが、結局、わたしが入社してから、その会社の株価が上昇したことなんてほとんどなかったのです。本当、心の底から買っておかなくて良かったと思います。

一応、補足をしておきますと、とても仕事のできる人は存在しました。ただ、それはけっこう一部で、それよりも「うーん・・・」という社員さんのほうが目立っていたのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。かなり意見の偏った記事ですが、しかし、「持株会が安全そうな資産運用だからやっておこう」という楽観的な取り組みに対して警鐘を鳴らしておきたい思いがあり、執筆させて頂きました。もちろん持株会が、通常の預金口座のみより、有用な資産運用の一つであることは分かっています。ポイントは、何も考えずにやってはいけない、ということです。

ちゃんと持株会について、自分なりの検討したロジックがあり、なにかしらの勝算・メリットを感じて投資するなら、やってOKだと思います!

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