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オークションサイトのAdobe海賊版ソフトをスムーズに返品・返金して対処した話

昔、Adobeソフトの勉強を目的に、古いバージョンのAdobe photoshop、Adobe illustratorをヤフオク中古買いしたら、海賊版が送られてきました。

当時は知らなかったのですが、Adobeに限らず、オークションサイトで取引される「安めのソフト」は、ほとんどが海賊版らしいです。他には、DVDや漫画、CDなども海賊版多いそう。

自分はイラっとしたので、なんとか返品・返金できないかと胡散臭い外国人と交渉したので、その体験談を紹介します。

目次

海賊版の被害に遭わないために必ず知っておきたい基本知識

海賊版では、場合によっては消費者も罪に問われることがあります。「知らなかった」では済まされませんので、きちんと基本知識を知っておきましょう。

海賊版とは
公式のメディア商品を不正コピーして違法に販売する偽物商品のことです。精密・粗悪を問わず、不正コピーしての販売は法律で禁じられており、多額の罰金など、重い罪に問われる犯罪行為になります。

1.不正にコピーされたメディア・ソフトウェアは絶対に使わない

メディア・ソフトウェアにはすべからく著作権があります。よって、不正なメディア・ソフトウェアの販売・使用はどちらにしても著作権の侵害行為に該当します。

この時、罪の内容としては民事罰・刑事罰のどちらにも該当します。

過去の判例において、まず民事裁判では、法人組織内での不正コピー行為に対し、数千万円の賠償が命じられたケースがあります。また刑事罰としては、個人へ10年以下の懲役または1000万円以下の罰金が命じられ、法人の場合は3億円以下の罰金が科せられることもあります。

かなり重い罪になりますので、海賊版のメディア・ソフトウェアは絶対に使わないように気をつけましょう。

2.オークションサイトで安く売っているソフトウェアは、ほとんどが海賊版!

Microsoft Office、windows OS、Adobe photoshop、Adobe illustratorなどのソフトウェアは、基本的にはある程度の高額な商品です。できれば安く買いたいと思うのが消費者の本音でしょう。しかし、そこが販売側の思うツボです。

まずかなり安値に販売されるソフトウェアは、ほとんど海賊版です。次に、「認証解除」・「日本語化」など記述のあるものも、ほとんど海賊版です。出品者情報を見てた時にソフトウェアをたくさん販売している人の場合も、ほぼ海賊版です。

出品者の情報がしっかりしており、商品の写真が事細かに記載され、かなりの確信がある場合、ようやく本物が届く可能性があります。しかし、オークションサイトでは、それでも海賊版の届く可能性があることは認識しておいたほうがいいです。

基本、偽造のできそうな商品というものは、あまり買わない方が良いです。なぜなら一度、お金を支払ってしまうと、消費者側はかなりの確率で泣き寝入りしてしまうことが想定されてしまうからです。

海賊版を買ってしまった時、消費者はかなり無力である

「偽物を買わされたなら、オークションサイトを運営している会社や警察に連絡すればいいじゃん」

そう安易に思う方もいるかもしれませんが、話はそんなに簡単ではありません。じつは一度お金を支払ってしまうと、消費者は非常に不利な立場になってしまいます。それは以下の理由によるためです。

海賊版を買ってしまっても、オークションサイトは一切、守ってくれない

ヤフオク、楽天オークションなど、さまざまなオークションサイトがありますが、どの運営会社も違法販売の責任を一切とってくれません。オークションサイトは、あくまで個人同士の商取引となり、運営会社は一切ノータッチだからです。利用規約にも、しっかりとその旨が記載されています。

これはどういうことかというと、たとえば骨董市などのイベント広場で「200万円の壺」を買って、それが後になって「1万円の偽物」だったことが分かった時にクレームをしても、骨董市を開催した運営会社は責任をとってくれない、ということです。

また偽物を売っていた人はこう主張します。「偽物を売ったつもりはない。おれも本物だと思っていた。おれも被害者だ。だから金を払い戻すつもりはない」と。

偽物を見抜けない者が悪い。オークションなどにおいて、そんな自己責任の風潮が強いことは確かです。まあ海賊版は販売した時点で犯罪なのですが、ネット販売の場合は、他の理由もあるため、消費者はさらに不利になっていきます。

ネットオークションでは販売側の正体がまったくわからない

骨董市であれば、相手の所在を突き止めることはできなくもないでしょう。しかし、ネットオークションになると、それが難しくなります。なぜなら相手が連絡してきた住所が嘘である可能性があるからです。めちゃくちゃ遠ければ行く気も起きないし、それに実際に行ってみたら、まったく違う人が住んでいるかもしれませんし、そもそもそんな海賊版を売りつけている人の所に行くのは恐いです。

では、犯罪なのだし警察に通報すれば? と思うかもしれませんが・・・これも基本、効果が薄いです。

警察は通報しても、基本的には動いてくれない

海賊版の被害額は高くても数万程度。そのため、それくらいの被害額では、通報して被害届を出しても、警察がすぐに動いてくれることは少ないです。もし起訴状を出したところで、捜査するかどうか決めるのは警察ですので、すぐの解決は難しいです。

ただ、そういった被害届などを出しておけば、その違法販売者がなにかしらで捕まった時、きっちり追い詰める証拠が増えることは確かですので、まったく意味がないわけではありません。

しかしながら、仮に警察がそうして犯人を追い詰めても、消費者側の肝心の問題はまだ解決しません。それはすなわち「犯人が逮捕されても、すぐに返金してもらえるわけではない」ということです。

そして、数万円の返金を目的とした時、警察に通報することが必ずしも正解かというと、判断の難しいところです。なぜなら、こちらの住所が違法販売側にバレているからです。

消費者は違法販売側に住所・氏名を知られている

これ、普通に考えて恐いですよね。相手をあまり怒らせると、報復行為があるかもしれません。まあ、相手方もそんなことをすれば警察のリスクを考えると思いますが、しかし、警察は四六時中、自分のことを守ってくれるわけではありません。それはストーカー被害なんかの話を見ていても自明だと思います。

できることなら穏便に返金をしてもらいたい。それが消費者の本音でしょう。

法律家・探偵を頼むことはできるが、高額な調査費がかかり、それでも返品・返金の保証はない

数万円の返金を目的に、十万を超えるかもしれない費用を支払い、その後、民事もしくは裁判で返金額と損害賠償を求めて争っていく・・・。ほとんどの人が、こんな面倒な真似したくないことだと思います。

では、海賊版を交わされた消費者はどのように立ち回れば良いか

以上の理由より、海賊版被害に遭ってしまうと、消費者はとても不利な立場になってしまいます。自己責任とはよくいったもので、誰かに頼ることが極めて難しいです。

では、いったい海賊版をつかまされた消費者はどのように立ち回ればいいのか。それは、オークションサイトの利用規約にもある通り、当事者同士で話し合いをつける。それしかありません。

次に、著者が実際に体験した話を続けます。

海賊版を返品・返金した経験談

私の場合、海賊版の違法販売者側に対し、下記のように立ち回りました。

まずは下手に出る

本物だと思って購入したのだから、偽物がきたことで、正直、怒りがこみあがっています。しかし、そこで感情的になってしまっては意味がありません。なぜなら、向こうが知らんぷりして突っぱねてきたら、こちらが困るからです。

そのため、まずは下手に出て、下記のような切り出し方をします。

「すみません。これ、海賊版ですよね。本物だと思って購入していたので、返品・返金したいです。」

全額の返金諦めて、少し妥協して提案してみる

本音をいえば、全額どころか損害賠償も主張したい気持ちですが、一方で「自分はバカな消費者だった」という反省もあります。そのため、このように譲歩した提案をしました。

「そちらも送料などあったと思いますので、返金額は90%の○○○○円で大丈夫です」

ただ、これだけで送信してしまうと「気の弱い落札者」という印象を与えてしまい、踏み倒されてしまうかもしれません。そのため、続けて、一本の楔を打ちつけます

返品・返金の要求が受け入れられない場合、海賊版取締の関係各所すべてに通報し、徹底的に対応する旨を伝える

「もし返品・返金が受け入れられない場合、下記の海賊版を取り締まる組織すべてへ通報し、警察にも届け出をする」

このように強気の主張も混ぜておきます。ちなみに、そういった通報窓口は実際にたくさん存在します。下記にまとめてあるので、そこのリストをコピペしておくと、相手に圧力を与えておくことができます。

インターネットホットラインセンター 通報窓口 一覧
https://www.internethotline.jp/link/reference.html

送信する前に、感情的な文章がないように添削する

あくまで仕事の文書のように、淡々と、下手に出た文章で、それでも確実に主張は伝えていく・・・感情的な言葉は相手を怒らせてしまい、せっかくのチャンスを潰しかねないので気をつけて添削しておきます。まるで交渉人のような慎重さが必要となります。

結果、スムーズに返金された

海賊版の違反販売者としても、揉め事は避けたいところだったのでしょう。ほぼ泣き寝入りを覚悟していたのですが、わりとスムーズに返金をしてもらえました。

その後、警察に通報しておこうか迷いましたが、自分の住所が相手に知られているため、やはり辞めておきました。注記しておくと、民間人には通報の義務がないため、これはべつに犯罪とはなりません。何かあった時、警察は守ってくれない可能性のほうが高いのに、自分だけリスク背負うのは避けたいところです。そもそも、犯人の情報もすべて怪しいものですしね・・・。

ただ、今回の方法は相手が話の分かる人でないと成立しません。基本的に海賊版は買わされてしまうと負け濃厚になるので、十分に気をつけるようにしましょう

一方で気になるのが、どうして違反販売者はこんなにもオークションサイトにはびこっているのか。その考察を書いて、本記事を締めようと思います。

なぜ、オークションサイトに数多く存在する海賊版は放置されたままなのか

1.消費者側が、海賊版であることを了承して買うパターンもあるため

まず、海賊版には一種のニーズがあります。それは、家庭内のオフライン環境において、勉強・自分のための娯楽を目的にして使用するような消費者です。

彼らは、最初から海賊版であることをある意味では理解して購入します。まずソフトウェアであれば、オフラインで作業する分にはアクティべートサーバーの監視をかいくぐって、見つかることはほとんどないでしょう。また漫画・音楽などであれば、自分の趣味の範囲内で使っている分には、これまた発覚することは滅多にないでしょう。

ただし、限りなくグレーに近い行為ですので、真似しないようにしましょう。

2.違法販売側は、消費者側に対して優位な立場だからタカをくくっているケースが多い

今までに述べた通り、逮捕された場合のリスクは大きいものの、海賊版のネット販売は、消費者からじつに訴えられにくい商法になっています。文句を言われたらアカウント削除して、新規にまた始めれば良いだけですし、オークションサイトでは身分証明もザルです。運営側も取り締まろうとしてもイタチごっこになってしまい、未だに温床のようになっている、というのが実状のようです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。もし海賊版を掴まされて怒っている方は、まずは冷静になって、できるだけの対処をしながら、心の底では、ほぼ諦めておきましょう。海賊版への対処法は「絶対に買わないこと」に尽きます!

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