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「仕訳」の基本概念とは

青色申告の複式簿記をやる上で、絶対に必要となる作業が「仕訳(しわけ)」です。これは便利な会計ソフトを使っても、絶対にやる必要のある作業です。

とはいえ、べつに難しいことではないです。簿記3級のテキストを購入して少しでも勉強すれば、すぐに理解できますし、ネットの情報を見るだけでもイメージは掴めます。

本記事でも、「仕訳」について、カンタンに説明していきたいと思います。

「仕訳」の基本ルール

仕訳とは取引を記録すること

仕訳を一言で示すなら、「特定のルールに従って、取引を記録すること」です。

どういうことなのか。まずは、実際の「仕訳」を見てみましょう。

仕訳を見てみよう

たとえば、あなたがweb制作の検証用端末として、税込1万円で販売されていた中古スマホを1台、現金で買ったとします。

その時、家計簿では下記のように、「日付+項目+金額」と記録するでしょう。

日付 項目 金額
2/3 web制作検証用端末(スマホ) -10,000

一方、複式簿記の仕訳では、同じ取引を下記のように記録します。

日付 項目 借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
2/3 web制作検証用端末(スマホ) 消耗品費 10,000 現金 10,000

この時、それぞれの記録を比べてみると、家計簿にあった「日付・項目・金額」という要素に加えて、仕訳のほうでは、「借方」、「貸方」、「勘定科目」という要素が新たに増えていることが分かります。

このように、一つの取引について、「借方」と「貸方」に分けて、適切な勘定科目を割り振って記録することを「仕訳」と呼びます。

なぜ、こんな面倒な記録の仕方をするのかというと、それは、「一つの取引におけるお金の動きを詳しく追いかけるため」です。

仕訳は一つの取引を一義的に示すもの

先ほどの仕訳の例を改めて見てみましょう。

日付 項目 借方 貸方
勘定科目 金額 勘定科目 金額
2/3 web制作検証用端末(スマホ) 消耗品費 10,000 現金 10,000

これは簿記の知識を持っている人が見れば、「あなたが2/3に、現金1万円を支払って、web制作検証用端末(スマホ)を消耗品として手に入れた」ということまで、一目で分かります。それは「借方」、「貸方」、「勘定科目」という要素があるおかげで、そう読み取れるのです。

すなわち、仕訳とは、その記録を見るだけで、一つの取引に関する事実について、ちゃんとたどることができるのです。

家計簿では取引の情報が不足してしまう

先ほどの家計簿の記録をもう一度見てみてください。

日付 項目 金額
2/3 web制作検証用端末(スマホ) -10,000

このような記録方法ですと、じつは、どんなに簿記の知識を持った人でも、取引内容を正確に知ることができません。

なぜかといえば、家計簿のように「日付+項目+金額」だけの情報では、「あなたが2/3に口座支払で1万円を支払って、web制作検証用端末(スマホ)を手に入れた」という可能性もありますし、「あなたが2/3にお店のポイント1万円分を使って、web制作検証用端末(スマホ)を手に入れた」という可能性もあります。

このように家計簿というのは、第三者が見た時、その取引について情報が欠損してしまうため、事業用の帳簿付けの方法としては、不十分な記録法となっているのです。

仕訳のポイントは「借方・貸方」と「勘定科目」

仕訳と家計簿の大きな違いは、先ほどの例を見ても分かるように、ずばり、「借方・貸方」と「勘定科目」です。逆に、「借方・貸方」と「勘定科目」のことを理解すれば、仕訳のポイントは掴んだも同然です。

ただ、「借方・貸方」と「勘定科目」の意味を正しく知るためには、「貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)と損益計算書(そんえきけいさんしょ)」という書式のことを一緒に知る必要がありますので、今回はちょっと割愛しちゃいます。

とりあえず、本記事では「借方・貸方」と「勘定科目」については、

仕訳のルールとして使われるもの
取引を正しく記録するためのもの

と覚えておいてください。

仕訳をする意味

取引を正しく記録する「仕訳」をしていくことで、いったい何の意味があるのかというと、つい今しがた出てきた「貸借対照表と損益計算書」を作成できる、という意味があります。

つまるところ、仕訳は、「貸借対照表と損益計算書」を作成するためにやるもので、簿記のゴールは「貸借対照表と損益計算書」と言っても間違いではありません。

現に、簿記3級の試験においては、色んな取引について、正しく仕訳をして、その仕訳データを基にして、貸借対照表と損益計算書を正しく作成すれば合格できます。

そうなってくると、気になるのが、「貸借対照表と損益計算書」とは何なのかってことだと思いますが・・・長くなってきてしまいましたので、続きは次回の記事で紹介したいと思います。

まとめ

仕訳の基本概念としては、

一つの取引内容を正しく記録すること
貸借対照表と損益計算書を作るためにやるもの

という感じです。まあ、web屋でたとえるなら、仕訳はマークアップみたいな一種の規則・ルール・決まりごとの類です。一度、覚えてしまえば難しいことではありませんので、あまり毛嫌いしないようにしましょう。

そして、次回は、気になる「貸借対照表」と「損益計算書」について、説明していきたいと思います。

▼次回の記事
「貸借対照表」と「損益計算書」の基本概念とは

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・・・まあ、本当は簿記3級のテキストを購入して勉強してもらったほうが効率的なのですが・・・。

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