ドメインを異なるサーバーに紐づける時、ネームサーバー変更とDNSレコード変更のやり方があります。
ただし、レンタルサーバー(共用)でDNSレコードを変更する場合、そのレンタルサーバー各社の仕様に依存する点が大きいので注意が必要です。
とくに本記事で紹介する、エックスサーバーのDNSレコードでは、「Aレコードを切り換えるとMXレコードも切り換えになり、webとメールを切り分けられない」という注意点があります。
以下、詳しく紹介します。
DNSレコードって何?
こちらの記事様がたいへん分かりやすいので、まずはご一読を。
▼DNSレコードとは 「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典
https://wa3.i-3-i.info/word12284.html
ざっくり説明すると、希望するドメインやIPアドレスをDNSレコードに指定しておくことで、その内容をDNSコンテンツサーバーが見るゾーンファイルに認識(登録)させられる、という感じです。
レコードには種類があって、共用レンタルサーバーで主要なのは、AレコードとMXレコードです。
・Aレコード
⇒ざっくりウェブサイト閲覧用
⇒ドメインとIPアドレスの対応を指定する
・MXレコード
⇒メールサーバー用
⇒受信用のメールサーバを指定する
AWSなどで、自分でサーバーを構築したり、あれこれwebアプリいじりまくるって人は、他のレコードもきちんと勉強しておいたほうが良いですが、カンタンなウェブサイト関連であれば、AレコとMXレコを分かっていれば大丈夫かと思います。(たぶん
エックスサーバーのDNSレコードを変更する時の注意点は「webとメールが一緒に切り替わってしまう」
まずは、こちらをご覧下さい。(エックスサーバーのDNSレコード編集画面です。)
この時、
・ドメイン「test-*****.work」
・IPアドレス「157.***.***.17」
を割り当てています。
そして、注目して欲しいのが、MXレコードの内容部分です。ホスト名「test-*****.work」に内容「test-*****.work」が割り当てされています。そのため、Aレコードを「157.***.***.17」から、違うIPアドレス、たとえば「180.***.***.10」などに変更した際は、MXレコードも同じように「180.***.***.10」の環境へ変更となる、ということです。これはつまり、「webを変更するとメールも変更となる」ということです。
サブドメインでホスト名を代替することも難しい
著者は、「それならMXレコードのホスト名「test-*****.work」に、サブドメインを作って、サブドメインのDNSレコード(A)をエックスサーバーに向けたままにすれば……」ともおもったのですが、しかし、結果は残念。エックスサーバーでは、サブドメインを作った場合、そのサブドメインのIPアドレスは、親ドメインのDNSレコードに引っ張られる仕様なので、メールサーバーのホスト名用のサブドメインを作ることはできません。
web=エックスサーバー、メール=他社なら可能そう
DNSレコード(A)をエックスサーバーのままにしておき、DNSレコード(MX)を他者のメールサーバーに割り当て、は可能そうです。ただ、エックスサーバーのメールサーバーを利用したまま、webのIPアドレス変更は難しいので、注意です。
webサイトのIPアドレスを変更してメールは元のサーバーで運用したい時は他社サーバーを検討しよう
前述の通り、エックスサーバーでは、DNSレコード(A)を変更して、webサイトを他サーバーで運用しながら、DNSレコード(MX)はそのままにして、メールサーバーを元のエックスサーバーで運用する、といった切り分けができません。
ですので、もし、webとメールを分けて運用したいのであれば、他社サーバーさんを探すようにしましょう。MXレコード部分が、「mail.test-*****.work」といったようにサブドメインになっていて、元のIPアドレスに割り当てたままの設定になっていれば、切り分けての運用が可能です。
色んな記事を検索しよう
「web メール 分ける 別サーバー」などのキーワード検索をすると、色んな記事が出てきますので、切り分け運用したい人は、それらを参考にしつつ、色々とイジってみましょう。
▼例)お名前.comでドメインを取ってウェブとメールをそれぞれ別のレンタルサーバーで運用する方法
https://ideen.jp/technology/onamae_dns
まとめ
エックスサーバーでは、webを他のサーバーにしつつ、メールサーバーを元のエックスサーバーで運用するということが難しい仕様ですので、注意しましょう!
※参考
▼DNSレコードの編集 エックスサーバー(公式ガイド)
https://www.xserver.ne.jp/manual/man_domain_dns_setting.php